お買い物体験を支える、「やさしく、つよい」ECサイトのUI・UX

  1. お買い物体験を支える、「やさしく、つよい」ECサイトのUI・UX

お買い物体験を支える、「やさしく、つよい」ECサイトのUI・UX

みなさん、こんにちは!UX/UIデザイナーの友常です。

INIは「やさしく、つよい会社を増やそう。」という経営理念を掲げています。私たちの考えるやさしさとは「長く一緒にいつづけること」。そしてつよさとは、そのやさしさを現実にする力と定めています。
経営理念について詳しくはこちら

このシリーズ記事では、私たちが「やさしく、つよい」を体現しているなぁと思う企業やサービス、取り組みを紹介していきます。「やさしく、つよい」を具体的にどう形にしているのか を知ることで、まずは私たち自身が理解を深め、そして同じ志を持つ仲間やお客さまと "やさしく、つよい" を共通語にして対話を広げることが目的です。

もしこの記事が「わたしたちも同じ方向を目指しているよ」と手を挙げてくださる企業や人との橋渡しになれば、これほどうれしいことはありません。

今回は、ECサイトの顧客体験を左右する「UI・UX」に焦点を当ててみました。
一見すると、企業にとっては「効率が悪そう」だったり「利益を減らしてしまいそう」に見える工夫。しかしその裏側には、ユーザーの不安に寄り添う「やさしさ」と、それによって選ばれ続けるブランドを創る「つよさ」が隠されています。

そんな「損して得取る」ような、誠実な5つの事例からヒントを探っていきましょう。


目次


1. 【チャット型UI】 効率よりも「一歩ずつ」の安心感を選ぶ

入力項目を一度にすべて表示するのではなく、1問1答形式で会話を進めるように入力を進めてもらうUIです。

yasashiku-tsuyoi-ec-01.png 参照:【公式】シロクオンラインショップ

「やさしさ」ポイント
空欄が並ぶ「入力フォーム」という壁をなくし、ユーザーの認知負荷(一度に考えるべきこと)を最小限に抑えます。「今は住所だけでいいですよ」「次は電話番号ですね」と、目の前のたった一つのステップに集中させてくれるガイドのような設計は、特にスマホ操作に不慣れな方にとって、大きな安心感となります。

「つよさ」ポイント
「項目が多くて面倒そう......」という心理的なハードルを、対話のテンポで解消します。たとえ入力項目数は同じでも、「これなら自分にもできそう」という実感が最後までユーザーの完走を支え、結果として離脱を減らし、確実な成果へと繋がります。

2. 【配送の「同梱」サービス】 賢いまとめ役が、家計と環境を豊かにする

オルビスの「定期に同梱サービス」やAmazonの「定期おトク便のおまとめ割引」のように、通常の商品を「次回の定期便と一緒に届ける」ように設定するだけで、ポイント還元率アップや追加割引が受けられる仕組みです。

「やさしさ」ポイント
「どうせ後で届くものがあるなら、一回で受け取りたい」というユーザーの合理的な心理を仕組みでサポートします。受け取り回数を減らして手間を省き、梱包資材を削減するというエコな選択に対し、企業側がポイントや割引でしっかりと報いる姿勢は、ユーザーとの「誠実な対話」そのものです。

「つよさ」ポイント
一見すると割引やポイント増額分だけコストが増えるように見えますが、実際には配送費や再配達リスクを大幅に削減できています。ユーザー側に「定期便があるから、他のものもここで買おう」という動機(ついで買い)を生み出し、他社への流出を防いでLTVを最大化する、極めて持続可能な「つよい」戦略です。

3. 【定期便のお休みボタン】 縛らないことが、一番の信頼になる

「解約」ボタンだけでなく、「今月はスキップ」や「お届け間隔の変更」をマイページなどから簡単に選べる機能です。

yasashiku-tsuyoi-ec-02.png 参照:FUJIFILM ビューティー&ヘルスケア Online

「やさしさ」ポイント
「商品が余っているのに次が届く」というユーザーの罪悪感を先回りして解消します。ユーザーの生活リズムを尊重し、無理強いしない姿勢は、まさに「長く一緒にいつづける」ためのやさしさです。

「つよさ」ポイント
目先の売上のために「解約しにくくする」のではなく、あえて「休みやすくする」。この潔さが「いつでも調整できるから、またここで買おう」という長期的なファンを生む、揺るぎない強みになります。

4. 【「あとで買う」機能】 迷っている気持ちを、否定せず保管する

カートに入れたものの、すぐには決められない商品を、削除せずに別枠で一時保存しておける機能です。

yasashiku-tsuyoi-ec-03.png 参照:アマゾン: Amazon | 本, ファッション, 家電から食品まで

「やさしさ」ポイント
「今は買えないけれど、いつか欲しい」というユーザーの曖昧な気持ちを大切にします。「買うか、捨てるか」という二択を迫らず、検討リストとして優しくキープしておく場所を提供します。

「つよさ」ポイント
「あとで」と言ったユーザーを放置せず、再訪時に思い出してもらうきっかけを作ります。カゴ落ちを単なる「さよなら」にせず、未来の購入へと繋ぎ止めておく、粘り強いコミュニケーションです。

5. 【クーポンの自動適用】 「損をさせない」誠実さが、絆を強くする

持っているクーポンを、ユーザーがコードを入力しなくても「一番お得な組み合わせ」で自動的に適用する仕組みです。

「やさしさ」ポイント
「コードを入れ忘れて損をした」という後悔をゼロにします。企業側から進んでお得な条件を提示する姿勢は、ユーザーに対する誠実さの証であり、「大切にされている」という実感を生みます。

「つよさ」ポイント
「クーポンを探しにサイトを離れる」という離脱を防ぎ、決済完了率を確実に高めます。自らの利益を削ってでも顧客の納得感を優先する姿勢が、競合には真似できない「強い信頼」という資産に変わります。


まとめ:UIという「形」で、UXという「やさしさ」を具現化する

今回ご紹介したのは、どれも一見すると便利な「機能(UI)」です。しかし、私たちが大切にしたいのはその先にある設計の意図です。ユーザーの不安を安心に変え、信頼を積み重ねる。こうした「体験(UX)」の設計こそが、INIの考えるやさしさの正体です。

対話で導き、配送の「ついで」を還元する。休みを認め、迷いを許容し、自分から利益を削る。

一見非効率に見えるこの「やさしい手間」が、実はユーザーの不安を解消し、社会課題を解決し、長期的な信頼関係を築くための「つよい経済」を生み出しています。デジタル上の丁寧な振る舞いこそが、お客様と企業が「長く一緒にいつづける」ための、確かな土台となっているのです。

INIは, "やさしく、つよい"価値創造を支えるUX/デジタル施策の設計・運用を通じて、企業が持続的にお客様や社会と長く関係を構築する体験づくりをお手伝いしています。ぜひお気軽にご相談ください。

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