「やさしく、つよい」会社に学ぶCSRのヒント

  1. 「やさしく、つよい」会社に学ぶCSRのヒント

「やさしく、つよい」会社に学ぶCSRのヒント

みなさん、こんにちは!UX/UIデザイナーの友常です。

INIは「やさしく、つよい会社を増やそう。」という経営理念を掲げています。私たちの考えるやさしさとは「長く一緒にいつづけること」。そしてつよさとは、そのやさしさを現実にする力と定めています。
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このシリーズ記事では、私たちが「やさしく、つよい」を体現しているなぁと思う企業やサービス、取り組みを紹介していきます。「やさしく、つよい」を具体的にどう形にしているのか を知ることで、まずは私たち自身が理解を深め、そして同じ志を持つ仲間やお客さまと "やさしく、つよい" を共通語にして対話を広げることが目的です。

もしこの記事が「わたしたちも同じ方向を目指しているよ」と手を挙げてくださる企業や人との橋渡しになれば、これほどうれしいことはありません。

今回は、数あるテーマの中から「CSR」に焦点を当ててみました。なぜCSRなのかというと、企業が社会に対してどのような責任を果たし、どのように貢献しているのかは、まさに私たちが考える「やさしさ」と「つよさ」が両立する場所だと感じているからです。事業と社会貢献を見事に両立させている5つの企業から、そのヒントを探っていきましょう。


目次


なぜいま CSR に注目するの?

モノやサービスを選ぶとき、「その会社がどんな社会的姿勢をとっているか」を気にする人がぐっと増えています。日本でも博報堂の最新レポートが、20代・30代を中心に"値段よりも環境・社会への影響で選ぶ"という行動が伸びていると報告しています。こうした流れの中で、私たちがこれは「やさしく、つよい」なぁと感じた5社の取り組みをご紹介します。

参照元


Snow Peak ― 自然と寄り添うキャンプブランド

Snow Peakの原点は、創業者が「不便な山道具ばかりで自然を味わえない」と感じた体験です。以来、"人と自然を再接続する"ことを使命に掲げ、キャンプ用品だけでなく、キャンプ場や宿泊施設の運営まで手がけています。主要拠点と直営のキャンプフィールドでは、みんな電力の電気をはじめ100%再生可能エネルギーに切り替え、環境への負荷を減らしたアウトドア体験を提供しています。

こうした取り組みは単に商品を売るだけでなく、「Snow Peakが大切にしている自然との関わり方」を実際に体験できる場として機能しています。つまり、道具や理念を"使って、感じて、理解できる場所"として、キャンプ場や施設そのものがSnow Peakの世界観を体験できるショーケースになっているのです。

このように、商品購入だけでなく、体験を通じてファンとの関係を深めていく姿勢が共感を呼び、2023年末時点でポイント会員は90万人にまで拡大しました。ギア購入→キャンプ場で体験→次のギアへと循環する流れが自然にできており、顧客生涯価値(LTV)の高さが収益面での強みとなっています。

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やさしさポイント

  • 国内10拠点と直営キャンプフィールドの電力を100%再エネ化
  • 2050年カーボンニュートラルをTCFD開示に明記しロードマップを公開

つよさポイント

  • ポイント会員90万人がイベントとECを循環し高いLTVを実現
  • 国内34・海外11の直営店と体験施設45箇所で"泊まれるブランド"を展開

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タニタ ― 「測る」を社会インフラに

タニタは毎年右肩上がりで膨らむ医療費に危機感を抱き、社員の健康づくりを最優先に据えました。その成果が評価され、健康経営優良法人〈ブライト500〉を9年連続で取得しています。社内で磨いたプログラムは「タニタ食堂」やオンライン指導ツールとして外販し、自治体や企業の健康経営を後押し。計測機器では1959年発売の家庭用ヘルスメーターから累計1億台を突破し、正確なデータへの信頼がブランドの核になっています。BtoB向けのサブスク型健康サービスも伸びており、ハード+サービスの二本柱で収益を安定させているんですね。

やさしさポイント

  • 社員向け健康プログラムをベースにブライト500を9年連続受賞
  • 「タニタ食堂」モデルを自治体・企業へ展開し社会全体の健康をサポート

つよさポイント

  • 家庭用ヘルスメーター累計1億台で国内トップシェア
  • 法人向け健康支援サービスで継続課金モデルを確立

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無印良品 ― 日常にやさしい循環を

無印良品は「感じ良いくらし」を次世代まで続けるため、製品づくりの前後で出る廃棄を極小化しています。店頭ではPETボトルや羽毛布団を回収し、新たな製品に再生する取り組みを常設化。さらに一部店舗を防災拠点として開放し、充電ポートやかまどベンチを設置して地域と共助する姿勢が共感を呼んでいます。

世界29地域に1,300店以上を展開しつつも、ローカル産品コーナーやイベントで「地域の顔」を大切にすることがファンを離さない秘訣です。アプリMUJI passportは月間1,569万アクティブユーザーを持ち、購買履歴とサステナKPIをひも付けて循環モデルを磨き上げています。

やさしさポイント

  • 店頭で使用済みPETボトル・羽毛布団を回収→リサイクル
  • 店舗を防災拠点として開放し地域レジリエンスを強化

つよさポイント

  • 世界29地域・1,300店超のネットワークで日常接点を拡大
  • アプリMAU1,569万が購買と循環データをつなぎリピートを促進

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モンベル ― 遊びながら守るアウトドア文化

モンベルは「Function is Beauty」を掲げるアウトドアメーカーですが、自然保護を事業の真ん中に置いています。代表例が環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」。カヤック、バイク、ハイクを1日でこなし、森から海までのつながりを体感できる取り組みが環境省グッドライフアワード特別賞を受賞しました。

製品面ではPFAS不使用の高機能レインウエアを開発し、規制強化前から先手を打っています。こうした哲学に惹かれ、有料制の「モンベルクラブ」会員は100万人を突破。年会費1,500円にも関わらず離脱が少ないのは、提携施設の優待や会報誌でブランドの"思想"を共有しているからだそう。会費収入は安定し、地域提携ショップや道の駅との連携で露出も広がっています。

やさしさポイント

  • 「SEA TO SUMMIT」が環境省グッドライフ特別賞を受賞
  • PFASフリー レインウエア「Super DryTech」を展開

つよさポイント

  • 有料ファンクラブ「モンベルクラブ」100万人超が安定収益を支援
  • 直営+提携店で全国に"試着→EC"導線を構築

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オイシックス・ラ・大地 ― "食"から始めるサステナブルライフ

オイシックスは「これからの食卓、これからの畑。」を掲げ、フードロスと低炭素に挑んでいます。2024年3月期には畑のフードロスを約500トン削減し、規格外野菜の商品化数は累計441品に増えました。物流拠点やオフィスは100%再エネ電力に切り替えScope 2を実質ゼロに。

定期宅配会員は35万人超で、注文履歴データをAIが需要予測に活かすため廃棄率はわずか0.2%。さらにミールキット『Kit Oisix』は累計2億食を突破し、「献立を考える時間がいらない」という時間価値がリピーターを増やしています。

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やさしさポイント

  • 2024年度にフードロス約500トンを削減、規格外品441品へ拡大
  • 全拠点で100%再エネ電力に切り替え脱炭素を推進

つよさポイント

  • 定期宅配会員35万人超が需要予測精度を高め廃棄率0.2%を実現
  • ミールキット『Kit Oisix』累計2億食でD2C継続率を最大化

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おわりに

今回ご紹介した5社に共通するのは、社会課題を"自分ごと"として捉え、製品・サービス体験に溶け込ませている点です。CSRを「コスト」ではなく「ブランド資産と収益源」に変えることで、やさしさとつよさの好循環が生まれていますね。

INIは、こうした"やさしく、つよい"価値創造を支えるUX/デジタル施策の設計・運用を通じて、企業が持続的に社会へ貢献できる体験づくりをお手伝いしています。ぜひお気軽にご相談ください。

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