Webプロデューサーとは何か?を、AKB48はなぜメンバーを定期的に入れ替えるのかから学んだ【1/2】

  1. Webプロデューサーとは何か?を、AKB48はなぜメンバーを定期的に入れ替えるのかから学んだ【1/2】

この記事の目次

  1. Webプロデューサーとは何か?を、AKB48はなぜメンバーを定期的に入れ替えるのかで学んだ(第1回:今回の記事)

    • プロデューサーと営業の違い。
    • AKB48はなぜ、メンバーを定期的に入れ替えるのか。
  2. Webプロデューサーの仕事~「これでうまく行く」というお決まりのマーケティングはない(第2回:次回の記事)

Webプロデューサー,とは,プロデュース

こんにちは、インテリジェントネット学生スタッフの吉川です。

今回は、プロデューサー御船 晋伍さんにインタビューを実施しました。
前回のWebディレクターインタビュー企画に続き、わたしの素朴な疑問に答えて頂くインタビューです。

第1回は、そもそもWebプロデューサーという仕事って?という疑問から始まります。


プロデューサーと営業の違い

吉川:よろしくお願いします。

御船:はい、よろしくお願いしまーす。

吉川:まず、そもそもプロデューサーって営業ってことでいいんでしたっけ、、とか、ディレクターとの境界線はどんなところなんだろう?というシンプルな疑問があって...。

御船:そうだよね。わかる。インテリでの話ってことにもちろんなるんだけど、営業とディレクターどちらともかぶるところはあって。

受注前にクライアントのビジネス課題を発見して、その解決策を提案して売上を獲得するというのが1つ。もう1つはプロジェクトが始まったらディレクターより遠い距離感でプロジェクトをデザインする、といえばなんとなく想像つくかなー。

吉川:なるほど...。まだちょっとイメージしきれないです...。営業でいうと、採用の時に伺ったのですが、インテリは基本インバウンド営業なんですよね?

御船:うん。インテリの営業方針はインバウンドだから、いわゆる営業で想像されやすい飛び込み営業なんかはない。俺が入社する前から15年ずっと。

流れとしては、インテリのWebサイト経由だったり、クライアントやいろんな方々からの紹介だったりでまずはご連絡をいただく。それから僕らプロデューサーが担当として着任する。その後は、直接の依頼の場合やたまにコンペ形式の場合など様々だけど、それらの指揮をとるのがプロデューサーの役割。

でも、うちは先の通り営業的なところだけじゃなくて、案件がはじまってからも、関係はつづいて。例えば、プロジェクトが上手くいっていないなと思うことがあったらPM(プロジェクトマネージャー)と相談しながらなんでもやっていく。

そういう部分は、ディレクターの領域と少し被る部分かもしれない。

吉川:クライアントからの紹介、というパターンもあるんですね。

御船:そうだね、うちは紹介いただくというのも結構多いね。

吉川:そうなんですね。クライアントに紹介していただける関係を築いているって、何だか良いなぁ。

Webプロデューサー,とは,プロデュース

御船:インテリは、デジタルを使って全体的な問題解決を支援するしごとで、クライアントの課題は似てるケースはもちろんあるけれど基本的にはやっぱり違ってて。うちのサービスもちょっとわかりにくいところはあるよね、クライアントによって課題が違えば提供する解決策も違うから。

だから、とくにうちのブランディングやポジションでだと、飛び込み営業でパンフレットもって売るような営業の仕方はあまり向かない。そして、きっとインテリがお付き合いしたいクライアントは選んでくれない(笑)。

吉川:確かに、そうなのかもしれませんね。

御船:プロデューサーがメインで動くフェーズとしては、受注する前のクライアントとのコミュニケーションが多くなるかな。ここは吉川くんが想像する営業のイメージとも近いと思う。

ただ、プロデューサーと営業の違いは誤解がちょっと出そうだけど「提案」かな。提案営業っていうことばもあって、その場合はうちのプロデューサーと同じような感じだとは思う。「これを使ってください」と売り込みにいくいわゆるよくイメージされる営業とは違うよね。いや、これも大事なんだけどね。

具体的に「○○をしてください。」と言って頂くこともあれば、具体的な解決策までは固まっていない場合ももちろんある。解決策が固まっていない場合は、いろんな調査や分析をして、その目的を達成するための課題設定や解決策の提案をすることになる。

吉川:インテリで営業っていわずにプロデューサーっていっているのはそういうことなんですね。

御船:うん、そうだね。プロデュースするってことは、「目的に合ったあらゆる手段を使って、モノの提供する価値を高める」ということって、ウィキペディアに書いてある。今回のために調べてきたよ(笑)

それってつまり、クライアントの「こうしたい」という要望・目的に対して、Webだけに限らず、あらゆる手段を講じていくということだよね。マスメディアや紙媒体も使わなければ目的を達成できないと判断した場合は、インテリのプロデューサーはそれを調達することも考える。

だから、インテリの事業領域はWebやネットのいわゆるデジタルの領域だけれど、それに関連して必要なものをクライアントが求めているのであれば、基本は何でも調達してくるつもりではやってるよ。そういった意味では、プロデューサーの職域は広くて自由度が高いと言えるかもしれない。

Webプロデューサー,とは,プロデュース

吉川:へえ...知らなかったです。Webの仕事を基本にしつつ、それに縛られずに総合的な問題関係に携われるという意味では、仕事の幅はすごいに広いですね。単純にワクワクする仕事だなと思いました。

御船:特に普段の生活で接するB2C向けのいろんなプロモーションは、いままではマスメディアが起点となったプロデュースが多かったけれど、B2C、B2BどちらもこれからはもっとWebをうまくつかったプロデュースが増えていくと思うし、今後もっとデジタルの需要が高まっていくと思うよ。

吉川:クライアントに対する総合的な「問題解決」を自分で考えて提案したい人に向いているお仕事の一つと言えそうだなぁ。

御船:うん、そうかも。もちろんなんでも出来ないし、するべきじゃないから軸足はネットなんだけどね。無理なところは無理と言って紹介したり。ただ、発想を最初から限定しないようにはしないと良い提案にならないから。それと、プロデューサーに向いているか否か、という観点で言うと、コミュニケーション能力も外せないと思う。

クライアントだけでなく、社内の人やパートナーさんとのコミュニケーションを調節する機会が多くなるから、人間関係の構築が上手な人には向いているのではないかな。一概には言えないけれど、例えば、職人肌っぽい人と比較した場合には。

吉川:そうですよね。

御船:あとは、どうすればクライアントに快くお金を出していただけるかということに考えを巡らせて、実際に行動に移すことができる必要がある。仕事とはいえ、いやらしさが出てはいけないから、それなりに工夫が必要になる。

提案自体だけではなく、それ以外の部分でお客さんに入り込んでいけるか、どれだけお客さんの融通を利かせられるか、それを含めたプロデューズ全体を評価していただけるかというところが勝負ポイントだから。

吉川:そうですよね、実際にはそういう工夫が必要な場面が多くなるお仕事ですよね。


今まで「営業」というイメージが強かったプロデューサーに新しい一面を見た気がしました。「営業」というと、商品やサービスをひたすら売り込んでいくというイメージがどうしても湧いてしまっていたのですが、全く違いました。
クライアントに対してゼロベースで総合的なソリューションを企画・提案することはクリエイティブでワクワクする仕事なんだな、と思ってきました。


AKB48はなぜメンバーを定期的に入れ替えるのか

御船普通のコーラを500円で売りたいと思ったら、吉川くんならどうする?

Webプロデューサー,とは,プロデュース

吉川:(熟考)・・・製造日の刻印が、その人の大切な日と一緒のコーラを探してきます...(笑)・・・我ながら酷いアイデア。(笑)

御船:(笑)いやでもそういうことだよ。お客さん以外の人にとっては何でもないことでも、お客さんにとって価値があればいいわけだからさ。

例えば、達成感と一緒に思わず飲みたくなるような山の頂上で売るとか、ものすごく可愛い女の子とコーラを飲みながら話せる企画を開催するとか(笑)、お客さんや状況によっては価値のあるものになることなんて、いろいろあるよね。

吉川:確かに。スラスラ出てきますね、すごい(笑)。

御船:AKB48も似ていると思うんだよね。ものすごく美形でかわいい子をアイドルとしてプロデュースするっていう手法は今までもやってきたことだと思うんだけど、そうではなくて、「会えるアイドル」「身近に感じられるアイドル」というコンセプトで、彼女たちを売り出したところに成功の一因があると思う。

そして、AKB48は中にいるメンバーが入れ替わっても「AKB48」というブランド力とか世界観が落ちないことがすごいと思うんだよね。前田敦子や大島優子が卒業しても、基本的にAKB48の人気が衰えることはなかったわけだよね。それで言うと、どうしてAKB48はメンバーを定期的に入れ替えているんだと思う?

吉川:・・・飽きさせないため、とかですかね。

Webプロデューサー,とは,プロデュース

御船:確かにそれもあると思う。これは単なる俺の想像だけど、「AKB48」の世界観とかブランド力を強く保ち続けることを考えると、属人的にブランド力を持ってしまうような子をグループ内に残し続けていくことは"悪"なんだと考えているからなのではないかな。

ただでさえアイドルのブランド力とか人気って属人化したものになりがちだと思うんだけど、AKB48にはそれがない。ブランド力が属人化しないように、メンバーを入れ替えているんだと思うんだよね。

吉川:確かに、面白いですね。ブランド力がついてきたら、独り立ちできるわけですしね...。いやあ、いいですね、プロデュース力ある人いいなあ。センスある人にしかできないように思えてしまいますけど。

御船:センスがあるないではなく、誰しも日常的に考えていることだと思うけどね。恋愛でも、相手にどう見られているかを考えるでしょ?

あとは、客観的に自分を見るためには、それこそ概念理解だけでは不十分で、成功体験とか反省とかを積み重ねていくことが重要だと思うなぁ。

吉川:セルフプロデュースですね。いやらしくなく自分を魅力的に見せるか。

御船:そうだね。結局それを仕事でも同じようなことはやっていくわけ。


AKB48が人気を属人化させないためにメンバーを入れ替えているという話には妙に納得してしまいました。秋元さんならAKB48、インテリなら社員やサービスを、相手にどう思ってもらえたら、快く買ってもらえるかを考えるのが、プロデューサーというわけですね。
恋愛上手はプロデューサーに向いているとのことです(笑)

第1回はここまでです。
他の職種と違って、あまり仕事内容に対するイメージが湧いていなかった分、新鮮でした。

第2回は、御船さんがなぜプロデューサーを志したのか、そしてこれからプロデューサーに求められてくるものとは何だと思うか、といったことを質問とマーケティングについて伺いました。お楽しみに!

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