コンテンツマーケティングとネイティブアドの関係

  1. コンテンツマーケティングとネイティブアドの関係

コンテンツマーケティングとネイティブアド。それぞれ2014年からだいぶ注目度があがってきました。

コンテンツマーケティングとネイティブアドの相性は良くて、インバウンドマーケティングからの流れで課題となっていた、認知、つまりコンテンツをみつけてもらうところをうまく補完し合える関係になれる可能性があります。

「コンテンツ」と「ネイティブ」ということばを除けばマーケティングとアド(広告)です。いままでのマーケティング、広告の背景と課題も踏まえてコンテンツマーケティングとネイティブアドを考えみたいと思います。

コンテンツを見つけてもらうことが難しい

contents is king、インバウンドマーケティングのlovable marketingという考え方はすごく好きなんですが、Get Found(見つけてもらう)というところが、SEO、ソーシャルに頼る割合が高かったことは否めません。

極端な話にしてしまうと、いいものを作り続けていたら見つけてもらえるという誤解のようなところもありました。(コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングともに広告に対する否定はもともとありません)

コンテンツマーケティングを始めてもなかなか成果を出すことが難しいという声の大きな課題の1つに、この見つけてもらうことが難しいということがあります。

マーケティング活動なので、もちろん結果は出さなければならないし、概念には賛同するけれど、従来の広告に頼るやり方のほうが短期的な効果が出るのでなかなか取り組みが進められないという状況がしばらく続いていたと思います。

従来の興味関心が薄い層に大量にアプローチして、興味関心、比較と検討プロセスが進むに連れてどんどん数が減ってくるマーケティングファネルではなく、検索エンジンや自社ソーシャルからコンテンツを通して価値観を理解してもらった人たちに確度高く顧客になってもらうのは、これからのマーケティングの流れで望ましいやり方です。

望ましいとわかっていても、有益なコンテンツを作り続けることも、自社ソーシャルのファンを増やすことも、一朝一夕では出来ないどころか、ほんとうに取り組もうと思ったらマーケティング、広告の考え方、組織から変えるくらいのインパクトがあります。外部に任せきりで出来ることでもありません。本質的には、長い目で戦略的に取り組んでいくしかありません。

ただ、これからコンテンツマーケティング、ネイティブアドが健全に発展していけば、この「見つけてもらう」というところで、新しい流れができる可能性があると思っています。

ネイティブアドの定義などはJIAAネイティブアド研究会ページ、ガイドライン多く知られているところなのでリンク先をご確認ください。

なぜあえて"ネイティブ"アドなのか

ネイティアドを日本語にすると違和感のない広告でしょうか。なぜあえてネイティブといわなければならないのかといえば、いままでの広告、マーケティングは土足マーケティングと呼ばれるように生活者にとって期待していないマーケティング、広告が多くあったからです。

背景としては、大量生産、大量消費、大量広告の社会と価値観が変化してきたことによって、企業と生活者との関係性が変わってきました。インターネット以降はますますウソがつけない社会になっていっています。この変化によって、企業が広告を代表とするメッセージを生活者に伝えるコト、伝え方も変わってきました。

コンテンツマーケティングもネイティブアドもこういった流れを受けています。従来の価値観とのゼロサムではないので、既存の手法はもちろん残りますし、ずいぶん以前からこういった価値観を持っている方々もいます。ここ最近は、新しいこの流れを私たち生活者が心地よく受け止められる人たちが増えてきたこと、スマホの普及でその手段が整ってきたことにより、ビジネスになる土壌が整ってきたといえます。

健全に発展するターニングポイント

もともと課題であった地道なコンテンツを作ってみつけてもらうというところを「お金」で解決出来るようになったら、売る側も買う側も盛り上がります。

盛り上がる事自体は私たちにとっても、違和感がない、有益な情報が入ってくるので望ましいことです。ただ、まだ立ち上がりだからこそ、ステマ問題、広告表記問題などいろいろな問題が起こってます。

未整備なときほどダマシ的なテクニックは使いやすいものですが、背景としてある、ウソのつけない社会と、企業と消費者との関係性が変わって、私たちが受け入れたい情報のあり方が変わってきているからこそ、コンテンツマーケティングやネイティブアドが出てきたのに、そこでダマシちゃったら本質的には意味がありません。

いまは、そんなことを考えないで漁場を荒らすがごとくへんなことも起きちゃっています。
社会的な変化なので今度は少し荒れても、長期的に見ればうまくいく方向になるとは思っていますが、コンテンツマーケティングもネイティブアドも立ち上がりのこのタイミングで健全な発展に向かっていけるようにビジネス側からもいち生活者としても望みたいところです。

競合サイトからも自社のコンテンツを伝えることができるように

コンテンツレコメンデーションサービスを提供するOutbrain社の記事でこんな一文がありました。

我々のサービスを導入すると、CNNのニュースを読み終わったあとに、OutbrainネットワークにあるNew York Timesのニュースを読みにいこうというように、ユーザーの経験を遮断することなくより多くのコンテンツと出会う機会を提供することができる。
http://markezine.jp/article/detail/19029

それぞれのメディアで本来は競合するけれど、1つのサービスで閉じて囲い込むというようなことではなく、そこは許容してユーザー体験を優先することでユーザーとの関係性をより良いものにするということはこれからの流れになってくるのではないでしょうか。

いままでのコンテンツ流通はポータルサイト、検索エンジンが圧倒的でした。そこにソーシャルが加わり無視できないボリュームをつくりました。

これからは、大小に関わらずメディア間でのコンテンツ移動、スマホのプラットフォーム、キュレーションが加わってきて、新しいコンテンツ流通と出会い方ができそうな流れが見えてきそうだと思ってます。

インテリジェントネットでも、私が2011年にほぼ日で掲載された「ほぼ日刊イトイ新聞 - "Unusual(変わってる)..."」を読んで、インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングに取り組むことを決めて以来、クライアント企業とトライ&エラーを繰り返して、コンテンツの認知では結構苦しんできたのですが、やっと昨年、ネイティブアドの話題が盛り上がってきたあたりから、従来とはちょっと違う動きを出せそうかなという感覚でいます。

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