第六回東北セミボラIA/UXデザイン・ワークショップ登壇と問題解決を考えるフレームワーク
4月5日に公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会が開催する第六回東北セミボラ(セミナー&ボランティア)の「IA/UXデザイン・ワークショップ」に登壇させていただき、翌日は南相馬でボランティアに参加してきました。
セミナー全体は第1部でトライバルメディアハウスの池田さん、第2部で電通レイザーフィッシュの得丸さん、登壇させていただいた第3部のIA/UXデザイン・ワークショップという構成です。
IA/UXデザイン・ワークショップは、ネットイヤーグループの坂本さんをモデレーターに、専修大学の上平さん、GREEの村越さん、私の3名に話を振っていただくという進行で、ツルカメ森田くんが当日はリアルタイムにトークを編集してタイピングという贅沢な構成です。
IA/UXを考える上で問題解決を考えるフレームワークは役立つ
今回、事前に仮想RFPづくりを担当しました。テーマは東北セミボラでお誘いいただいたので、なにかしら東北をテーマにしたいなということもあり、「東北物語」という実際に2013年に出来たばかりのサイトを取り上げました。
70分という限られた時間なので、目的、ユーザー、コンセプトを整理していく部分にフォーカスすることになりました。今回は、IA/UXを考えていく流れを知ってもらうこと、そこがその後の設計に大きく関わってくるというところが伝わっていればいいなと思います。
東北物語で考えた内容は事前に作った仮想RFPなどもあって文脈をインプットしないとわからないので、ここではふれませんが、フォーカスした部分で汎用的に使えそうなことを少し書いておければと思います。
IA/UXのど真ん中からは少し話がずれるのですが、問題解決を考えるフレームワーク(ソリューション提案の流れ、コンサルティングのフレームワークでもいいです)を覚えておくとIA/UXを考えることが深まります。
すごく端折っていうと、
与件の整理、現状調査・分析、ターゲットユーザー(いわゆるここで狭義のIA/UXの話しに)、あるべき姿、あるべき姿とからの課題の抽出(フィット&ギャップ)、課題の解決策(ここではUI、デザイン、コンテンツ、プロモーションなどなんでもでます)...というような流れをぱっといつでも引き出せるような感じです。
ここらへんは「知識」ということですませちゃうべきことで、これ自体には意味がありません。
ただ、IA/UXでもデザインでも全体感の中で捉えていかないとおかしくなっちゃいます。同じ意味合いで、IAでもデザインでも(他でも)広義で捉えている方と話していくと深堀りしている専門部分は違えど、ビジネスの上位レイヤーの話しにわりとすぐにいきつきます。
知識といっているとおり、知っていればいいことなので、力説するほどのことではないのですが、流れを今回取り扱ったので、このようなアプローチもIA/UXにかぎらず専門性を深めることが楽になると思います。
実際は各項目の中身がすべてなのでそこは思う存分考えればいいのですが、最初に型を覚えることは知識として意味があるということ、抜け漏れをなくす一助になること、詰まった時に引き出しと整理の方法を持っておくことでは有効です。IA/UXを学ぶ方もソリューション提案、マーケティング全般、コンサルティングの本を数冊手にとって見るとすっとIA/UXも一段深まるかもしれません。
ライブと反省点
事前に考えた答えを持って行くとリアルさもなくなるので、ほぼ「ライブ」で挑みました。そういった意味では多少詰まっちゃうところなどはリアルといえばリアルなんですが、セミナーだと、無言が怖くて(笑)なにかそれっぽいことをいって逃れちゃうようなところもあってそこは反省です。
果たしておもしろいセミナーになるかは別として、もっと時間をかけて、アウトプットをワイヤーフレームまで持っていけるような形や、詰まった時にどうやってブレイクスルーするのかなども含めてリアルにやってみたいなと思いました。ここらへんは一緒に登壇した皆さんもいろいろと進化した形でやりたいという話になっているのでもう少し詰まったらまたお知らせできれば。
南相馬でのボランティア
小高地区のお宅で庭の草刈と不要になった家財道具の運び出しを総勢31名でお手伝いしてきました。小高地区は3.11以降、半径20キロは警戒区域となり、自由に立ち入りできなくなった地域です。2012年4月1日には一部解除され多くの地域は「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」になりました。
小高地区に入ってまず感じたのが町の人気(ひとけ)です。宿泊が禁止されていることもあると思いますが、町と人気が一致しない今まで体験したことがない空気を感じました。私は結構な閉所恐怖症的なところがあって(厳密には逃げられないとイヤな恐怖症でダイビングとかもダメです)、すこしだけ似たような感覚にちょっと襲われました。
震災後に沿岸部には足を運んだことがあったのですが、原発に近いエリアでのお手伝いは貴重な体験となりました。立会のご夫婦は親戚の家とおっしゃっていましたが、ご本人も近くに住んでいたとのことで、いろいろお話をいただいた。印象に残ったのは、物理的に戻れるようになったからといってまだ考えられようにはなかなかならないといったような内容。土地、ふるさとという古来から最も人の営みに影響を与えてきたものだからこそ重く響きました。